飛沫と飛沫核について

飛沫と飛沫核は何が違う?
「飛沫」のうち、大きいものは速やかに落下し、小さいものは水分が乾燥して「飛沫核」となり、空気中を浮遊します。
飛沫と飛沫核について

飛沫核と飛沫の違い

  粒子の大きさと特徴
飛沫核 直径4µm以下の小さい粒子
小さく軽いため空気中で気流に乗り、長時間浮遊する
空気中での落下速度は0.06~1.5cm/秒程度
飛 沫 直径5µm以上の大きい粒子
大きく重いので空気中には長く浮遊しない(飛距離:1m程度)
空気中での落下速度は30~80cm/秒

【出典】大阪大学医学部附属病院臨床検査部感染微生物免疫検査部門(病院感染管理/感染経路別病原体)

POINT
  • 1)一般的な不織布マスクでは飛沫核をカットすることは期待できません。
  • 2)浮遊ウイルス(飛沫・飛沫核)は1~60分で落下して付着ウイルスになる。(温度・湿度・換気・空調の影響を除く)

ウイルスの物質別残存時間

付着ウイルスはどのくらいの時間残る?
最大でおよそ3日間残る事が分かっています。

エンベロープタイプのウイルスを参考例として物質別の最大残存時間を比較する。

ウイルスの状態付着物物質別最大残存時間
浮遊ウイルスエアロゾル3時間
付着ウイルス4時間
段ボール24時間
ステンレス48時間
プラスチック72時間

【出典】"Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, 2020

POINT
  • 1)浮遊ウイルスは長時間残存は出来ない
  • 2)浮遊ウイルス(飛沫・飛沫核)は、環境(温度・湿度・換気・空調など)の影響を除けば、1分~60分程度で落下する。(付着ウイルスとなる)
  • 3)付着ウイルスも更に乾燥が進むことにより、粉塵などと共に気流などにより舞い上がり易くなり再び浮遊ウイルスとなる。(粉塵に混じる)
  • 4)付着ウイルスは長期間残存する。
  • 本格的なウイルス対策には浮遊ウイルスおよび付着ウイルスの除去が重要です。
  • 換気は浮遊ウイルスの除去(希釈)に有効な手段ですが、付着ウイルスの除去はできません。

湿度管理と感染症予防の関係性

ウイルス対策のためには湿度はどのくらいが良い?
50〜60%程度がおすすめです。(気温20℃前後の場合)
POINT
  • 1)相対湿度40%以下で飛沫が蒸発して軽くなり、空気中に浮遊する。
  • 2)相対湿度60%以上で生育条件に合致する細菌・真菌(カビ)の種類が増加する。

除菌・ウイルスの除去に必要な5つの要素

換気による浮遊ウイルス(細菌)の希釈

浮遊ウイルス(細菌)の除去

付着ウイルス(細菌)の除去

細菌やウイルスの種類により、除菌およびウイルスの除去手法を選択する

湿度管理によるウイルスの抑制と最近の繁殖抑制