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統計データと独自調査で明らかに!機電系人材減少時代に製造業が抱える採用の課題【2026年版】

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統計データと独自調査で明らかに!機電系人材減少時代に製造業が抱える採用の課題【2026年版】

製造業を支えてきた機械・電気系人材(以下、機電系人材)の確保は、いま大きな転換点を迎えています。
文部科学省「学校基本調査」によると、高等専門学校(以下、高専)や大学における機械系・電気系学部の入学者・在学者数は長期的に減少傾向にあり、機械技術者・電気技術者として製造業へ就職する人材も年々減少しています。一方で製造業では、高齢化と慢性的な人材不足が進行しており、需給ミスマッチの拡大により機電系人材は完全な売り手市場となっています。さらに当社の独自調査からは、この影響が特に中・小規模企業ほど顕著に表れている実態も明らかになりました。
本記事では公的統計データ(文部科学省)と当社独自調査をもとに、『機電系人材の減少の実態』と『製造業が直面する採用課題』を体系的に整理・解説します。

ティーネットジャパン

本記事は、株式会社ティーネットジャパンが作成しています。
当社は製造業向けエンジニア育成に長年携わり、機械設計・電気設計・生産技術分野を中心とした技術研修を行っています。
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1.政府統計データで見る『機電系人材の減少』の実態

人材不足があらゆる業界で深刻化するなか、製造業の中核を担う機械・電気系人材について、新卒採用の入り口となる学生数の動向を把握することは極めて重要です。本章では、文部科学省「学校基本調査」をもとに、大学および高専における機電系学生数の推移を分析します。

機電系専攻の大学生は減少傾向



このグラフは過去10年における大学の機械工学科および電気通信工学科の在学者数の推移を示したものです。
この期間、学部を限定しない大学生全体の人数は約3.0%増加している一方で、以下のように機電系専攻に限ると明確な減少傾向が見られます。

機械工学科:19.6%減少 (2016年度:70,410人⇒2025年度56,621人)
電気通信工学科:6.2%減少 (2016年度:113,022人⇒2025年度106,014人)

一方、工学部全体の在学者数は約2.5%増加しており、とくに「その他」に分類される学科が+44.5%と大きく増加しています。このことから、工学部自体の人気が低下しているのではなく、情報系を中心とした“工学分野内シフト”が進んでいると考えられます。
加えて、直近では大学進学率の上昇により大学生全体の母数は横ばいで推移していますが、今後は進学率の頭打ちと少子化が同時に進行する可能性が高く、機電系学生数の減少がさらに加速する懸念もあります。

機電系専攻の高専(高等専門学校)の学生も大きく減少



製造業における新卒機電系人材のもう一つの重要な供給源が、高専です。このグラフでは、過去10年における高専の在学者数を、機電系専攻に着目して整理しています。
学科を限定しない場合、高専生全体の人数は約2.1%の減少にとどまっている一方で、機電系専攻の学生数は21.9%と大幅に減少(2016年度:29,024人⇒2025年度22,681人)しています。
これは大学と同様、高専においても機電系分野が相対的に選ばれにくくなっていることを示しており、製造業にとっての人材供給基盤が縮小している状況が読み取れます。

※本セクション(高専の学生)では、機械系・電気系・制御系・電子系など、製造業と親和性の高い学科群を”機電系”として集計しています。

2.政府統計データで見る機電系専攻学生の進路

ここまでは学生「数」の観点から機電系人材の減少実態を確認しました。本章では同じく文部科学省「学校基本調査」を用い、学生の進路・就職先に着目して分析します。

機械技術者・電気技術者への就業は減少傾向



このグラフは、過去10年における大卒者の就職者数の推移を、機械技術者および電気技術者に着目してまとめたものです。
就職先を限定しない大卒就職者全体では増加傾向にある一方で、以下のように製造業で中核となる職種への就業者は減少しています。

機械系技術者:8.4%減少(2016年度:8,397人⇒2025年度7,882人)
電気技術者:13.2%減少(2016年度:4,882人⇒2025年度4,151人)

一方、「専門的・技術的職業従事者」全体では増加しており、特に情報処理・通信技術者が+69.5%( 2016年度:23,330人⇒2025年度39,559人)と大きく伸びています。
この結果から、学生の志向が製造業向けの機電系技術者から、情報系・IT系技術者へとシフトしている構造が読み取れます。

工学部以外の各部から機械技術者・電気技術者となる割合が増加



最後に、機械技術者・電気技術者として就職した人材のうち、工学部出身者が占める割合の推移を確認します。過去10年で、

機械技術者に占める工学部出身者の割合
電気技術者に占める工学部出身者の割合

はいずれも低下しており、工学部以外から技術職に就く人材の比率が高まっていることが分かります。
この背景には、企業側が新卒技術者採用において学部要件を緩和し、ポテンシャル採用や育成前提の採用へとシフトしていることも影響していると考えられます。

3.機電系学生は売り手市場だと実感

前章までの分析から、機電系の知識を持ち、機械技術者・電気技術者を志向する学生は、数の面でも進路の面でも希少性が高まっていることが政府統計データから確認できました。では、そうした状況を当事者である学生自身はどのように認識しているのでしょうか。



このグラフは株式会社キャリタスが実施した「2026年卒 理系学生の就職先企業調査(専攻分野別)」のアンケート結果を示したものです。
現在は多くの業界・企業で人材不足が進んでいることから、理系学生に限らず「売り手市場」と感じる傾向があります。その中でも、機械系・電気系専攻の学生においては、その認識が特に顕著です。調査結果を見ると、

「完全に売り手市場だと思う」と回答した割合は 29.2%
「やや売り手市場だと思う」と回答した割合は 40.4%

となっており、両者を合算すると、約7割の機械・電気系学生が自らの就職市場を「売り手市場」と捉えていることが分かります。この割合は、他の理系専攻分野と比較しても突出して高い水準です。

この結果は、前章で示した
● 機電系専攻学生数の減少
● 機械技術者・電気技術者への就業者数の減少
といった構造的な変化が、学生側の認識にも明確に反映されていることを示していると言えるでしょう。

4.配属先との需給ミスマッチは中・小規模企業から顕在化

前章では、機電系学生が就職市場をどのように捉えているか、学生目線でのデータを確認しました。
では一方で、企業側、特に現場を預かる管理職は、採用と配属の状況をどのように認識しているのでしょうか。本章では、当社が実施した独自調査の結果をもとに、企業側の実態を整理します。


このグラフは当社が製造業における機械系/電気・電子系/生産技術・製造技術エンジニアの管理職者を対象に実施した、「採用人材と配属先との関連性(需給のマッチ度)」に関するアンケート結果です。

「まったくできていない」「あまりできていない」と回答した割合:計23.0%
「とてもできている」「ややできている」と回答した割合:計48.0%

この数値を高いと見るか低いと見るかは評価の分かれるところですが、約4社に1社が「配属先とのマッチングが十分にできていない」と認識しているという点は、見過ごせない結果と言えるでしょう。

さらに、企業規模別に見ると傾向の違いがより明確になります。
従業員500名以上の企業では、「ややできている」と回答した割合が最も高く、一定程度、計画的な採用・配属が機能している様子がうかがえます。
一方で、100~499名規模の中小企業では、
「どちらともいえない」 「あまりできていない」
という回答がいずれも28.4%と高い割合を占めており、採用人材と現場ニーズとの間に迷いやズレが生じやすい状況が読み取れます。
この結果から、機電系人材の需給ミスマッチは、採用余力や配置転換の選択肢が限られる中小・小規模企業から先行して顕在化していることが分かります。

前章で示した「機電系学生の売り手市場化」と組み合わせて考えると、中小企業ほど「採りたい人材を、採りたい形で確保できない」構造的な課題に直面していると言えるでしょう。第1章でも触れたように今後は進学率の頭打ちと少子化が同時に進行する可能性が高く、機電系学生数の減少がさらに加速する懸念もあります。こういった背景から、今後従業員規模の大きい企業でも同様の課題が顕在化していくことが想定されます


まとめ

本記事では、文部科学省「学校基本調査」などの政府統計データと当社の独自調査をもとに、機電系人材を取り巻く環境変化と、製造業、とりわけ中小・小規模企業が直面する採用課題について整理してきました。
まず、第1章・第2章では、機械系・電気系を専攻する学生数および機械技術者・電気技術者として就職する人材が、長期的に減少傾向にあることを確認しました。工学部全体の学生数が大きく減っていないにもかかわらず、情報系分野へのシフトが進んでいる点は、今後も続く可能性が高い構造的変化と言えます。
第3章では、こうした背景を受け、機電系学生自身が就職市場を明確な「売り手市場」と認識している実態を示しました。約7割の機械・電気系学生が売り手市場だと感じていることは、企業側の採用活動に直接的な影響を及ぼしています。
さらに第4章では、企業側、とくに現場を預かる管理職への調査結果から、採用人材と配属先との需給ミスマッチが、中小・小規模企業を中心に顕在化していることが明らかになりました。今後、少子化と進学率の頭打ちが同時に進行すれば、この課題は企業規模を問わず拡大していくことが想定されます。
これらのデータから見えてくるのは、
「経験者・即戦力採用に依存する人材戦略そのものが限界を迎えつつある」
という点です。

ティーネットジャパンの製造業向け技術研修サービスのご紹介

当社では、こうした製造業の人材課題に対応するため、未経験者・文系出身者の育成実績を豊富に持つ、製造業向け技術研修サービスを提供しています。

本研修の特長
● 機械・電気・生産技術者など、現場で本当に必要とされる基礎技術に特化
● 文系出身者や異業種からの転職者でも理解できる、段階的・体系的なカリキュラム
● 新入社員だけでなく、若手〜中堅技術者のリスキリングにも対応可能

「機電系学生が採れない」「経験者が集まらない」という状況でも、“育てる前提”で人材を確保し、戦力化することで、採用市場の変化に左右されにくい体制作りが可能になります。



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